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【音楽図鑑】 灰野敬二生誕記念公演 /高円寺ShowBoat

もうあれから半年もたつのかと時の流れの速さを感じてしまうほど、いまだ鮮明に記憶に残る公演だった。

20年ほど前になんどか見た際とこの際とでは、受ける印象がかなり異なっていた。

パワーと芸術性に魅せられてしまった。

その後しばらくは、アート・リンゼイやシガー・ロスなど、ノイズを効果的に使うミュージシが来日する度に、ライブへ足を運ばざるを得なかった。

受容体としての自分自身が変わってしまったのか、現在進行形の音楽に自分がついて行けていないのか、確かめるために。

答えはすぐに出た。

灰野敬二の今が、やはり他の追随を許さないレベルにあった。

詩の朗読とDJ(DJという表現で内容が伝わるのだろうかと疑問が残る)で約3時間が経過した頃、発せられた言葉に一瞬耳をうたがった。

「少し休憩します」

そして 不失者。

圧倒的だ。

音の洪水とか、使い古された言葉を使うこと無しになんと表現すれば良いかわからない空間に体を取りこまれた。

他のミュージシャンの確認作業に時間が掛かったこと、もう少し言葉を見付けてから投稿しよう(結局出来なかった)と考えていたこととで、随分投稿に時間が掛かってしまった。

【音楽図鑑】ARTO LINDSAY Japan Tour 2017

6月、アート・リンゼイのライブに行った。

学生の頃からのギターヒーローだったが、ライブに行くのは初めてだった。

というのも私が学生の頃の彼はもう目だった活動をしていなかったし、その後はじめたソロ活動には今ひとつ興味が持てなかったからだ。

ブラジルのミュージシャンのプロデュースなんかしていた頃なんて、CDを購入した事を後悔したものだった。

ところが近年の作品ではアクセント的に入れるギターノイズが、ややNO.N.Y.時代を思わせるものとなってきていた。
好きだった事を思い出しはじめていた。

しかし、ライブに足を運んだ直接の原因は、春に見た灰野敬二さんのライブだった。

急遽来日出来なくなったチャールズ・ヘイワードのピンチヒッターとして、サーストン・ムーアと競演した灰野さんは昔からの憧れだった。
彼がいたからこそ、当事の私は、音楽は生活の糧にするべき物では無い(商業的なものではない)と割りきる事が出来た。
そのライブは、そんな彼が、目の前に、孤高の存在として帰ってきた瞬間だったのだ。

その次に見た灰野敬二生誕記念祭でさらなる衝撃を受け、これまで聴いていた音楽は何だったのか、改めて確認したくなったことが今回アート・リンゼイのライブに足を運んだ原因だった。

結果わかったことは、私は、アート・リンゼイの出す音が好きだということ。極端な話をすれば、音楽でもプレイでもなく、ギターの音だけが好きだったと言うだ。

灰野敬二さんが演っている音楽とは、比べるべくもない次元のまったく違うものだった。

灰野敬二ライブで受けた衝撃は間違いじゃなかった、それを確かめる事の出来たライブだった。

【音楽図鑑】THURSTON  MOORE ,灰野敬二,吉田達也 /新宿MARZ

Thurston Moore は20年以上も私のギターヒーローであり続けているのだか、ライブはこの夜が初めてだった。

SONIC YOUTHという彼のバンドで考えた場合には、ライブに行きたいとまでは思えなかったからだ。

今回は当初CHARLRES  HAYWARD との共演が予定されていた。THIS HEAT のメンバーであった彼は、数少ない私のフェイヴァリットドラマーである。

単独やユニットでの来日の度、これまでにも何度もライブに足を運んでいる。

そんな彼がノロウイルスの影響で急遽来日をキャンセルした。

チケットのキャンセルも考えたのだか、なかなか悩ましい状況だった。

というのもCHARLRES HAYWARD が指名した代役が灰野敬二だったからだ。

実は私はこれまでに何度も彼のライブを見ていたし、CDや映像作品を多数所有しているファンなのである。

Thurston  Moore もかねてよりリスペクトを公言していた。

灰野敬二が出演していなかったら、チケットをキャンセルしていたと思う。

結果的に足を運んだのだが、これが大正解!

夢のようなひとときだった。

最初の20分くらいは、THURSTON のソロ。ブリッジの後ろを弾いたり、ネック裏を叩いたりしながら紡ぐサウンドはとても幻想的。ロックレジェンド。

しかし灰野敬二と吉田達也が入った後の主役は、間違いなく灰野敬二。

Thurston がネックを握ってスライドしまくり、いよいよかと思わせた瞬間もあったが、これも一瞬。
全体的に灰野敬二の伴奏かとすら感じられた。

灰野敬二を20年前に見たとき、若気の至りで、頑張ればあれくらいは出来ると感じていたが、今の彼は間違いなく唯一無二、孤高の芸術家。

右手を突き上げたわけではないが、終演後は体がクタクタ。聴いているだけで体力を奪われたのは、集中力を求められたからなのか、興奮が続いたからなのか。

素晴らしい夜だった。