【不動産のヒント】住宅ローン特約(融資条項)は、必ず使える訳ではありません



住宅を購入する際、多くの方が住宅ローンを利用します。
そして、その契約書の中に書かれているのが 「住宅ローン特約」 です。

Image

一般的には
「もしローンが通らなかったら、契約はなかったことにできる」
と思われがちですが、すべてのケースでそうなるわけではありません。

今回は、実際に起きたトラブル事例をもとに、
なぜローン特約が使えなかったのかを、できるだけやさしく解説します。


実際にあったトラブル事例

中古住宅を購入しようとしたご夫婦のお話です。

購入にあたり、
「夫を連帯保証人にする」 という条件で住宅ローンの事前審査を申し込み、
いったんは金融機関から承認を受けました。

その後、売買契約を結ぶ際に、

・申込条件を途中で変更した場合
・連帯保証人を外したことが原因で融資が通らなくなった場合

このようなケースでは、
ローン特約による契約解除はできない
という説明を受け、確認書にも署名していました。

ところが契約後、
「やはり夫は連帯保証人にならない」
と買主側の判断で金融機関へ伝えた結果、
ローン承認は取り消されてしまいます。

買主は
「ローンが否決されたのだから、契約は解除できるはず」
と考えましたが、裁判では――

👉 契約解除は認められませんでした。


なぜローン特約が認められなかったのか

買主自身がローン条件を変えていたから

最初に承認された住宅ローンは、
連帯保証人を付けることが前提でした。

その前提条件を途中で変更したのは、金融機関ではなく買主自身です。
そのため裁判では、

・銀行の都合でローンが通らなかった
のではなく
買主の判断によって条件が崩れた

と判断されました。


契約時にきちんと説明と確認がされていたから

売買契約の際には、

・重要事項説明
・確認書への署名

を通じて、
「この場合はローン特約が使えない」
という点が事前に説明されていました。

裁判では、
「知らなかった」ではなく
「説明を受け、書面でも確認していた」
という事実が重く見られています。


この事例から知っておいてほしいこと

住宅ローン特約は、
買主を守るための大切な仕組みです。

ただし、次の点は特に注意が必要です。

★ ローンの申込条件は、契約後に簡単に変えない
★ 連帯保証人や収入合算は、契約前に十分検討する
★ 「ローンがダメなら必ず解約できる」と思い込まない
★ 確認書・特約条文は、内容を理解してから署名する


不動産のプロとしてお伝えしたいこと

このようなトラブルは、
「誰かが悪い」というより、
仕組みを知らなかったことで起きてしまうケースがほとんどです。

本来、不動産取引は
・事前にリスクを共有し
・納得したうえで進めるもの

少しでも不安や疑問があれば、
契約前に遠慮なく不動産会社へ相談すること
それが、後悔しないための一番の近道です。