その土地、物置やコンテナ、倉庫を置けますか?


今回は、物置など資材置き場やちょっとした軽作業スペース、建築物の設置について書いてみます。

「その土地に、物置やコンテナ、倉庫を置けますか?」という質問をとても多く頂くのですが、これがなかなかお答えするのが難しい質問です。

というのも、土地が問題というよりも、物置やコンテナ、倉庫がどの様なものかによるからです。

もうひとつ重要なことは、設置にあたりどれくらい費用を掛けてよいかという点です。書類の申請などに何万円も掛けたくないと考えている場合には、そもそもどんな場所にも置けなかったりします。

まず初めに、どこにでも制限もなく置けるのは建築物が次に該当する場合のみです。

  • 10m2以下の建築物であること
  • (市街化区域内で)建築場所が防火地域、もしくは準防火地域ではないこと

設置したい建築物が10㎡を超えていたら、建築確認申請が必要になりますが、防火・準防火を除く市街化区域なら設置可能です。

コンテナは、サイズとしてはこれに当たると思いますが、建築確認申請が取れる建築物かというのはまた別の問題になります。

建築確認申請には、小さなもので5万円程度、大きな場合には数十万円程度の費用がかかるかと思いますが、この手間や費用に躊躇してしまう様ですと、そもそもどんな土地にも、建築物などを置けない事になってしまいます。

では、ホームセンターでよく販売されている様なプレハブの物置はどうなの?というご質問もよく頂きます。

プレハブ物置を“地面に置くだけ”であれば定着物ではないため、建築基準法の該当する建築物に該当しないと判断していた事もあったのですが、国交省の見解によれば、使用実態によって判断されるとされていますので、利便性が高い物置の場合には、建築確認申請が必要と言えるでしょう。

そんな事情もあり、以下の条件をすべて満たすプレハブ物置だったら、建築確認は不要だと思われます。

  • 土地に自立して設置されている小規模なもの
  • 外部から荷物の出し入れを行える
  • 内部に人が立ち入らない

この「内部に人が立ち入らない」というのが大きなポイントで、概ね高さ1.4mくらいまでの物置となります。それでは意味がないと思われる方が多いかもしれませんね。

近年では、ホームセンターにこれより大きな物置が売られている事は少なくなっており、大きなものを販売している場合には「建築確認申請承ります」などと書かれる様になっています。

トレーラーハウスなどは、水道や電気などが工具を使わずにワンタッチで切り離せてすぐに移動できる(適法に公道を走れる)場合には、建築確認申請はいらないとされていますが、そもそも、多くの方が、安価に物置を置きたいと考えているため、様々な費用をかけてまでトレーラーハウスをという方は少ないものです。

以上のことを総合いたしますと、この質問の答えは下記のとおりとなります。

とはいえ、多くの物置や倉庫が、上記の様な判断や正式手続きを経て置かれていない状況にあるかと思います。

このルールが浸透するには、まだしばらく時間がかかりそうです。

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